*片思い*
「ぶっははっ(笑)それでみんな納得したの!?」
南チャンはお腹を抱えながらあたしに聞いた。
「うん。頷いてくれたょ…」
「ぶはっ(笑)そこもウケるぅー!!」
南チャンちゃんと聞いてんのかな?
何か笑えるところだけしっかり聞いてない?
「それでねあたしの相談したいことは、何であたしの好きな人が迎えに来てくれたのかと、みんなに逃げたこと、怪しまれてないかってこと!」
あたしは真面目に南チャンに聞いた。
「んー。逃げたことはバレてないんじゃない?だってみんな頷いたんでしょう?」
「うん。頷いてくれた…。」
「後は…山本の好きな人だけどー。山本のこと好きなんじゃない?」
え……。
「いやいやっ!!それは絶対に有り得ない!!だって女として見られてないもん!!」
「んーそっか。そいつ幼なじみだっけ?」
「うん」
「じゃあ、幼なじみってことで山本のお母さんが山本の帰りが遅いからその相手に電話したんじゃない!?」
あー。
なるほど…。
確かにあたしのお母さんは優也の携帯の電話番号知ってるし、あたしが心配で優也に電話したこともあった…。
そうなのかもな…。
でもちょっとあたし嬉しかったのに…。
南チャンに優也があたしのこと好きなんじゃない?って言われて…。
「南チャン…ありがとー」
「大丈夫か?山本…?」
「こんなことで諦める山本郁美じゃないからっ!!」
「ん!そうだな!!頑張れ山本郁美っ!!そしてあたしは“南チャン”じゃなくて“先生”だ!」
あたしは笑った。
そして静かに保健室を出た…。