*片思い*



“そんなことで諦める山本郁美じゃないからっ!!”とは言ったものの結構傷ついていたりする…。


あー。


テンション下がったぁー。


もう授業は終わって休み時間だった。



あたしの前を悠が通り過ぎってた。


と、思ったら一時停止して体を回れ右してあたしの方にやってきた。


なんぞや……。



あたしの前に止まった悠は頭をかく。


「悠…?どうしたの?」


「あー。あのさ、あれから腹大丈夫かな…?と思ってさ…」


腹……?


…!!!


ゲーセンのときのかっ!!


まだ覚えてたの…?///


ちょっとあの時の言い訳が恥ずかしくなった。


「俺、お前の腹が心配でさ…。いくら春だからってまだ肌寒いし、だから…ほれっ!!」


女の子らしいピンクの何かを差し出された。


「これ…何…?」


「腹巻きっ!!!」


悠は照れながら言った。


腹巻きぃ…?


なんじゃそりゃっ!!


乙女に腹巻きかっ!!!


もうちょっとさ…ホッカイロとかセンスないの?


しかもここ学校だしさ…。


一応…。



でもここは返すのもなんだから、作り笑いで“ありがとう”って言った。


< 31 / 149 >

この作品をシェア

pagetop