*片思い*
“そんなことで諦める山本郁美じゃないからっ!!”とは言ったものの結構傷ついていたりする…。
あー。
テンション下がったぁー。
もう授業は終わって休み時間だった。
あたしの前を悠が通り過ぎってた。
と、思ったら一時停止して体を回れ右してあたしの方にやってきた。
なんぞや……。
あたしの前に止まった悠は頭をかく。
「悠…?どうしたの?」
「あー。あのさ、あれから腹大丈夫かな…?と思ってさ…」
腹……?
…!!!
ゲーセンのときのかっ!!
まだ覚えてたの…?///
ちょっとあの時の言い訳が恥ずかしくなった。
「俺、お前の腹が心配でさ…。いくら春だからってまだ肌寒いし、だから…ほれっ!!」
女の子らしいピンクの何かを差し出された。
「これ…何…?」
「腹巻きっ!!!」
悠は照れながら言った。
腹巻きぃ…?
なんじゃそりゃっ!!
乙女に腹巻きかっ!!!
もうちょっとさ…ホッカイロとかセンスないの?
しかもここ学校だしさ…。
一応…。
でもここは返すのもなんだから、作り笑いで“ありがとう”って言った。