*片思い*
【優也】



「ちょっと山本っ!!傷の手当ては?」


南のその言葉で俺は郁美が怪我していることを知った。



アイツ何やってんの!?


怪我したからここに来たんだろ!?


じゃあ、何で反対方向向いて歩いてんだ!?


そっちは保健室じゃないしっ!!


「南っ!!やっぱまた今度でいいやっ!!」


そう言って俺は保健室を飛び出して郁美を追っかけた。






そして郁美の腕を捕まえる。


「郁美っ!!」


郁美の肩はビクってなった。


俺は郁美の前に立つ。


郁美は俯いたまま床を見ている。


「郁美ぃ?」


俺は下から覗き込む。




え?


何か花が赤くて、目がうるうるしてるんですけど…。


もしかして、郁美亡きそう?


そんなに傷が痛いのか?



俺は郁美の傷を探した。


その傷は郁美の右足膝にあった。


しかもめっちゃ痛そうに血が結構出ている。




俺はそのまんま郁美をお姫様抱っこした。


自分でも分からないけど、郁美の足を早くどうにかしてやりたかった。



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