*片思い*
「別に俺、南のこと恋愛対象としてみたことないし…」
え…?
そうなの…?
でもっ…
「で、でも南ちゃんのこと“南”って言ってんじゃん…」
そう言ってる間にもあたしの心はモクモクと嫉妬心を膨らます。
「あー。それは、ウチの兄貴と南が友達でよく家に来てたから。だから今も“南”って呼び方が抜けないだけだし…」
ホ、ホントにぃ?
あたし信じちゃうよ?
「ホントにぃ?」
「ホントだしっ。嘘言ったって何にもなんないじゃんっ!!」
そうだよね…。
嘘付いたって何にもなんないよね…。
「じゃあ、なんで抱きしめたの?」
「あーそれは…勢いでぇ…?みたいな…」
はぁ?
勢いですか?
そんなもんあるんですか?