*片思い*



「別に俺、南のこと恋愛対象としてみたことないし…」


え…?


そうなの…?


でもっ…



「で、でも南ちゃんのこと“南”って言ってんじゃん…」


そう言ってる間にもあたしの心はモクモクと嫉妬心を膨らます。


「あー。それは、ウチの兄貴と南が友達でよく家に来てたから。だから今も“南”って呼び方が抜けないだけだし…」



ホ、ホントにぃ?


あたし信じちゃうよ?


「ホントにぃ?」


「ホントだしっ。嘘言ったって何にもなんないじゃんっ!!」


そうだよね…。


嘘付いたって何にもなんないよね…。


「じゃあ、なんで抱きしめたの?」


「あーそれは…勢いでぇ…?みたいな…」


はぁ?


勢いですか?


そんなもんあるんですか?



< 62 / 149 >

この作品をシェア

pagetop