*片思い*


「凄いじゃんっ!!」


そう言おうとした時、放送が鳴った。


『3ー2、吉池優也至急保健室まで来なさい。繰り返します…ー』


いかにも、これは南チャンの声。


「あ、やべー。呼ばれたわっ」


「あっ、うん」


「じゃあ俺行くから…ちゃんと足の怪我自分で家帰ったら手当てしろよっ」


「分かってるよっ!」



何気ない優也の優しさが好きだったりする…。



走って保健室に向かう優也にあたしは


「優ぅ也ゃー!!お昼はぁーー!!!!!!!!」


「間に合わなくても絶対行くぅーー!!!!!!」



“間に合わなくても絶対行く”


そんな何でもない、深い意味もない言葉があたしには嬉しい。





あたしはそのまま淕と恭平君がお昼を食べている場所まで向かった。


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