*片思い*
俺は恐る恐る郁美に聞く。
「…い、郁美ぃ?」
郁美は顔を床に向けて、口をパクパクさせていた。
その瞬間ーーー。
「え゛ぇ゛ーーーーー!!!!!!!!!!!!」
郁美は大声で叫んだ。
「山本うっさいっ!!」
そう言って南は郁美の口を手で塞ぐ。
郁美はそんなのお構いなしに、瞬きを一回もせず、手と足をパタパタしていた。
俺は不安になった。
いいのかぁ…?
それとも駄目なのかぁ…?
「郁美…OKしてくれるのか……?」
数十秒の沈黙の後に答えは返ってきた。
「あ…あたしなんかでいいのぉ…?」
郁美の目は泳ぐ。
「郁美じゃなきゃ駄目なんだっ!郁美しかいないんだよっ!!」
後から思い返すとこの言葉はかなり恥ずかしい言葉だった。
その後郁美は
「うん!!やるっ!!」
と言ってOKしてくれた。
ひとまず安心した俺。