月の欠片<短編>
だからたまたま友人から機密情報
を得た時、私は迷わず株に使うこ
とを決めていた。
異常な精神状態だった。
証券会社に勤めていたので、株式
を買うのは容易いことだった。早
く買わなくては儲からない。その
時私は、確かに、信念の通りに、
一心不乱であった。そして確かに
、貫いていた。
金が無かったのか?
そうではない。
余裕が無かったのか?
…解らない。
一番信頼すべき、否出来るべき自
分が、この時ばかりはわからなか
った。
を得た時、私は迷わず株に使うこ
とを決めていた。
異常な精神状態だった。
証券会社に勤めていたので、株式
を買うのは容易いことだった。早
く買わなくては儲からない。その
時私は、確かに、信念の通りに、
一心不乱であった。そして確かに
、貫いていた。
金が無かったのか?
そうではない。
余裕が無かったのか?
…解らない。
一番信頼すべき、否出来るべき自
分が、この時ばかりはわからなか
った。