月の欠片<短編>
だからたまたま友人から機密情報

を得た時、私は迷わず株に使うこ

とを決めていた。

異常な精神状態だった。

証券会社に勤めていたので、株式

を買うのは容易いことだった。早

く買わなくては儲からない。その

時私は、確かに、信念の通りに、

一心不乱であった。そして確かに

、貫いていた。

金が無かったのか?

そうではない。

余裕が無かったのか?

…解らない。

一番信頼すべき、否出来るべき自

分が、この時ばかりはわからなか

った。

< 7 / 8 >

この作品をシェア

pagetop