梶山書店物語〈壱〉
「前に比べたら売り上げも上がってるし最初の奥村くんの棚は最低だったけどな」
30歳の良い年をした大人が、キキキと子供のように笑う。
「そーですか」
この人に聞いたのが間違いだった。
「最近、売り上げも伸びてるし調子は良いと思う。
すっげぇ頑張ってたもんな」
「…………………」
「なんだ?嬉しくて黙りか?」
「それ、返品FAXじゃないんですか?」
クシャクシャに丸められたFAX用紙はゴミ箱に突っ込まれていた。
30歳の良い年をした大人が、キキキと子供のように笑う。
「そーですか」
この人に聞いたのが間違いだった。
「最近、売り上げも伸びてるし調子は良いと思う。
すっげぇ頑張ってたもんな」
「…………………」
「なんだ?嬉しくて黙りか?」
「それ、返品FAXじゃないんですか?」
クシャクシャに丸められたFAX用紙はゴミ箱に突っ込まれていた。