梶山書店物語〈壱〉
「漫画の世界なんだから現実にあるわけないだろ?
奥村くんって実は乙女ちゃん?」

「………………」

店長で年上でなければ、この分からず屋を思いっきり怒鳴りたい。

まず、この人は自分には無いと思い込んでる。

「え!?何?怒っちゃった」

「怒ってませんよ。
年下でも忠告した事は真剣に受け取ってください」

「ありがとうな。
安心しろ!私なんかを好きになるってよっぽどの物好きしかいねぇから」

その物好きが目の前にいるんですよ。
少しは自分に対して敏感になって下さい。



< 17 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop