梶山書店物語〈壱〉
「二人とも話してるだけならレジに戻って来てくださいよ。
田中店長から電話っす」

「あ、すまん」

ただじっと俺は、店長の背中を見送る。
なんつーか、あちこち振り回されてる感じが見てて面白い。

「なぁ、もし客が飯誘ってきたらどうする?」

俺より働いた年が長い。
料理全くしない女性誌興味ない最中は実用担当である。

興味の無い分野でも最中は売り上げを伸ばしてるらしい。
前に営業と店長が話してるのを聞いた。

「奢ってくれんなら行くけど?」

………………お前もか。

「あんま知らない人でもか?」




< 18 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop