梶山書店物語〈壱〉
出版社
「事細かに書いてるっすね」

今日は、店長が休みだから俺と最中が店番だ。

店長は休んでも新刊の本は毎日のように入荷してくる。

コミック担当の店長は新刊の出す場所や既刊コミックを何処に出すかを昨日の閉店後に書いたんだろうメモが事務所に貼られていた。

「これは引くを通り越して恐怖を感じる」

この人は本当に本しか興味が無いんだな。

「奥村さんに任せるっす」

「はぁ?嫌に決まってんだろ」

「人に任せたら嫌なくせに」

びっしりと書かれたメモを渡され最中は、朝の準備の続きを始めた。

最中の言う通り、店長の場所に誰も触らしたくない。



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