梶山書店物語〈壱〉
「曽良ちゃんもごめんね」

「こいつといんのは嫌だけど仕事だからしゃないって」

田中くんの背中を大の大人が保護者のように見送った。

その前に話聞かれるとこだった。危ない危ない。

「話戻すけど奢ってもらうからな」

「そのぐらい朝飯前だ」

安月給の私に確実に喧嘩を売ってやがる。奢ってもらうからそれなりに高いとこに連れって行ってもらうがな。

「田中くん以外にも言うんじゃねぇぞ。何かと面倒だし」

「休み取とらないといけないからどうせバレるだろ」

「いや、自分の休みにするさ」



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