梶山書店物語〈壱〉
「奥村くん、注文してから遊んでるんだろうな」

ちょっとは反応したり意識してくれたらいいのに全くだ。
先程の事が嘘なくらい忘れられている。

「店長と違って、とっくに終わってます」

「出来たスタッフで鼻高々だよ…って何か嫌味言わないと気が済まないタイプか!」

「本当の事を言ったまでです」

「嫌味を言われないように私は補充やらしてくるから」

店長はコミック棚に姿を消して行った。
普通、バイトの人間に言われたら怒るのに嫌味言われないようにするって子供じゃないか。





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