梶山書店物語〈壱〉
「てんちょ…」

「―来週の14時ですね」

電話中か。

中間レジ計の計算が合わなく店長を探していたら案の定、事務所にいた。

珍しく真剣な話っぽいな、後でにするか。

「こういったのは初めてなので…いや、その見合いをです」

ドアノブに手をかけようと伸ばした時に昨日のは、やっぱり聞き間違いでは無かった。

「―はい、すみません。
用意までして頂いて―――では、来週」

電話を切ると同時に店長から溜め息が溢れていた。



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