梶山書店物語〈壱〉
大滝と横に並んで煙草吹かす。陽が短くなってきた、もうじき夏も終わりだな。

「奥村くんって私に惚れてると思うか?」

「は?…唐突過ぎんだよ。
何を今更な事言ってんだ」

「あー…、やっぱり?
奥村くんからしたら30の、おばさんだろ」

薄々は気付いてた…。
それは嘘だけど、さっきので何となくわかった。

若気の至りで年上に恋愛しちゃうパターンって今の漫画でも、そんなにねぇよ。

「そんなの関係ねぇだろ。
俺と比呂はどうなんだ?」

「それは、お互い好きなんだから関係ないだろ」

「そのままそっくり返してやるよ」



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