梶山書店物語〈壱〉
「行きますよ」

すっごい怒ってんじゃん。
奥村くんから逃げてサボってたから怒らしちゃったよ。

「いや、すまん」

真面目なスタッフがいて社員の私は楽でいい。
奥村くんの場合は、しっかりし過ぎなんだけど。

奥村くんに怒られたので大滝に嫌味の1つだけ言って店に戻る事にした。

後ろから奥村くんが着いてくる。後ろを振り向けないぐらい怖いな。

「あのガキ、一人前に睨んできやがったな」

大滝は、短くなった煙草を灰皿に捨てた。




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