二人の王子さま
「気分はどうですか?」


ノックをしてドアが開く。

現れたのは金色に近い茶髪で、やわらかい表情を浮かべた、ものすごくカッコいい人だった。

黒いスーツを着ていて、後ろにはダイアさんが付いていて、なんだかどこかの社長みたい。

「身体、痛むかな?」

声も低いけど優しい。

「はい・・・少し・・・」

「ふふ、無理しないで。ゆっくり休んで」

ベッドの端に腰をかける。

「あなたが、王子様?」

「そうなるかな?アキラって呼んでくれたら嬉しいです」

「アキラさん・・・あの、助けていただいてありがとうございました」

そう、あたしが言うとアキラさんはあたしの前髪に触れる。


「君は帆香っていうんだね。あちらの服を着ていたし、瑠璃の人間だよね」

「あ・・・」


敵だと思われてしまう。




「何かあったんだね。あっちで。
話したくないならそれでいいんだ。
でもこちらに来たのなら、好きなだけここに居てくれて構わないよ」






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