二人の王子さま
少し離れた馬の居る場所まで担がれ、そっと馬に乗せられた。
「わ・・・」
ふらっとすると、その人は珍しそうに
「なんだ?馬にも乗ったことがないのか?」
そう言ってふわりと馬にまたがる。
後ろに乗り、あたしのことを抱えるようにして、手綱を握る。
普通の女の子ならドキドキするだろうけど、
涙ボロボロ流しながら大混乱のあたしにはドキドキする余裕はなかった。
「俺は遊馬と言う。お前は?」
「あたしは帆香・・・です」
目が覚めてからどれだけ時間が経ったのか・・・
やっと花畑から抜け出すことができた。