二人の王子さま
そんなことを考えていると、手綱を引いて馬が止まった。
「着いたぞ」
そう言うとまた、ヒラリと馬から降りる遊馬さん。
あたしも降りなきゃ!
そう思うけど、なにしろ初めてのこと。
どうしたらいいのか慌ててしまう。
「お前の住む所には馬はないのか?」
不思議そうにそう言い、あたしの腰を持ってゆっくり馬から降ろしてくれた。
「ありがとうございます」
地面に降ろしてくれようとして、何を思ったのか遊馬さんはあたしを抱き上げたまま歩き出した。
「えっと!遊馬さん!?」
「足が傷だらけだ。このまま連れて行く」
「え、大丈夫ですよ!これくらい・・・」
「俺が連れて行くと言っているのだ。素直に従え」
「・・・・・・は、はい・・・」
威圧的・・・
大人しく抱えられたまま、屋敷へと連れて行かれた。