二人の王子さま
うわ・・・
もしかして、遊馬さん偉い人ですか?
そう思わずにはいられない位、大きなお屋敷。
「生憎今、家には誰もおらん。暫く一人になりたいと、ここに来たのでな」
「え・・・?」
「待ってろ。傷薬を持ってくる」
そう言いあたしを座布団の上にそっと降ろしてくれた。
そのまま違う部屋に行ってしまった。
部屋をぐるっと見回す。
・・・・・・なんか、おかしなお屋敷。
遊馬さんは着物。馬にも乗ってるし。
お屋敷も昔っぽい。
でも時計はあって。
・・・でも電気はなくてロウソク。
畳に木の四角い机があって、座布団が二つ。
なんだか今と昔が混ざったような・・・
そんなことを考えていると遊馬さんが箱を持って戻ってきた。