二人の王子さま
木の薬箱を持ってくる遊馬さん。
「・・・思ったのだが、先に風呂に入るか?それから手当てをした方がいいような気がするのだが」
「あ、えっと・・・」
正直言うと、汗もかいたし入りたい。
でも見ず知らずの人にそんなワガママは・・・
クスリと笑う遊馬さん。
「よく見れば顔にも泥がついているな。今着替えも用意するから入れ」
「あ、顔を洗わせて頂ければ大丈夫ですよ」
「・・・そうはいかぬ」
そう言ってあたしの顎にすっと手を当て、ニヤリと笑う遊馬さん。
「・・・今夜は何があるか・・・わからぬからな」
「へ・・・?」
「・・・冗談だ」
ニヤリと笑い、案内する、と言って歩いて行ってしまった。