二人の王子さま
「お風呂ありがとうございました」
さっきまでいた襖を開けて部屋に戻ると、遊馬さんはお茶を飲んでいた。
「よし、こちらへ来い」
遊馬さんはあたしを目の前に座らせ、着物を少し捲った。
「着物、着られないと思っていたぞ」
「あ、少し前まで着物が制服のレストランでバイトしていたので・・・」
「・・・・・・・・レストラン・・・?ば、ばいと?
・・・なんだそれは?」
「え?あ、和食屋さんで働いていたってことです」
う~ん。
やっぱり知らないのか・・・
「ばいと・・・」
そう呟きながら足に消毒液をつけてくれる。
「あ、あたし自分で出来ますよ」
「いいからじっとしていろ」
そう言われ、少し緊張しながら、手当てを受けた。