二人の王子さま
「・・・何故そう思った?」
手当てをする手を止めることなく、そう言う遊馬さん。
「あ、なんとなく、です」
なんか悪いこと聞いてしまったのかな・・・
もともと低かった声のトーンが、さらに下がった気がする。
「・・・お前は瑠璃の国の者ではないのだな」
「はい」
「・・・俺の妻の座を狙い、色々な女が近付いてきた。
お前は違うと、信じてよいのだな・・・」
「・・・は、はい。
でも妻の座を・・・って?」
手当てが終わり、遊馬さんの手があたしの足から離れた。
「・・・俺は瑠璃の国の王の息子だ」
「え?」