二人の王子さま
残ったおにぎりを包んで屋敷を出た。
昨日と同じく遊馬さんがひらりと馬に乗る。
「来い。帆香」
遊馬さんに手を差し伸べられ、その手に掴まるとふわりと持ち上げられ、あっさりと馬に乗れた。
あたしを抱えるように手綱を掴む遊馬さん。
昨日は混乱していたからなんとも思わなかったけど、今日は落ち着いているせいか少しドキドキしてしまう・・・
「行くぞ」
「は、はい!」
馬がゆっくりと、走り出した。