二人の王子さま
「遊馬様!」
馬から降りて門に向かって歩いて行くと、門番みたいな人が駆け寄ってきた。
「ご苦労。今帰った。父上はいるか?」
当たり前のように馬を門番に預ける遊馬さん。
「はい。いらっしゃいます!
あの・・・失礼ですがその女性は・・・」
不審者を見るような目であたしを見ている。
「こいつは俺の女だ。手を出したら切るぞ」
あたしの肩を抱くと、チラリと門番を見て歩き出した。
「は!失礼致しました!」
門番はそう言うと馬を連れてそそくさと走って行ってしまった。