二人の王子さま



「入れ」


低い声が襖の向こうから聞こえた。


遊馬さんのお父さん・・・



ドキドキしているあたしの肩をポンポンと叩き、遊馬さんは襖を開けた。









「只今戻りました」



遊馬さんに背中を押され、一歩前に出る。


襖を閉めて遊馬さんはあぐらをかいた。

目で合図され、あたしも遊馬さんの横に正座する。



うわぁ・・・・


時代劇で見るようなお殿様?みたいな格好だ。


遊馬さんのお父さんは書類みたいなものに目を向けたまま、こちらに向こうとはしなかった。




「父上。今日は紹介したい者がいるのです」




< 48 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop