二人の王子さま

｢うわ、この人の本もある｣


好きな作家の本を取ろうと少し高い所に手を伸ばすと、後ろからスッと手が伸びてきてあっさりと目当ての本を取ってくれた。


｢本が好きなのか？｣



あたしの手に本を乗せて遊馬さんは言う。


｢はい！｣



元気良く返事をしたあたしに、遊馬さんは優しく微笑む。





｢そうか｣






｢･･･でもどうしてここにあたしの知ってる作家さんの本があるんだろう｣



｢帆香の世界で読んだことある本もあるのか？｣




｢これとか、あれも･･･｣





指差すと遊馬さんは少し考え込む。


｢これもそれも、確か落ちていたものだな｣



｢え？｣