二人の王子さま
お風呂に入り遊馬さんの部屋に戻ると、布団が一組敷かれていた。
「あれ、あたし・・・どこで寝ましょう?」
本を読んでいた遊馬さんがしおりを挟んで立ち上がった。
「ここ」
そう言って敷かれている布団を指差した。
「え、遊馬さんは?」
「ここ」
そう言ってまた布団を指差す。
「一緒に寝るのが当たり前だ。だとさ」
「・・・」
一気に顔が赤くなる。
「・・・なんだ、期待してるのか?」
「へ!?」
本を置いてじりじりと迫ってくる遊馬さん。
「何故逃げる?」
「だ、だだだって遊馬さんがこっちに来るからっ!」
壁に追い込まれて身動きが取れない。
「・・・風呂上がりだからなのか、よく見ると帆香は意外と色っぽいな」
「へ!?な、なにを」
顔に全身の熱が集まっているような感覚になる。
壁に両手をつかれあたしを逃がさないようにした遊馬さんは、ニヤリと笑った。