二人の王子さま
時間が止まったみたいにあたしの思考も止まる。
「あ、もしかしてこれも初めてだったのか」
顔を真っ赤にさせ、こくこくと頷くしか出来ないあたしの頭をポンと優しく叩いた。
「あー・・・すまない。ついしてしまった」
頭をポリポリとかきながら今更顔が赤くなる遊馬さん。
「つい・・・って・・・
遊馬さんは誰にでも・・・するの?」
「俺を軽い男だと思っているな?
まぁ、今のは思われても仕方がないが・・・
俺は誰にでも口づけするような男ではない」
「そうなんですか・・・」
「俺も風呂に入ってくる。
帆香は本を読むなり寝るなり好きにしていろ」
そう言って遊馬さんは顔を赤くさせたまま、部屋を出ていってしまった。