二人の王子さま
「ほ・・・」
風呂から上がった遊馬は、キスのお詫びに帆香に甘い果実水を、自分には日本酒を持って部屋に戻ってきた。
「・・・寝ているのか」
本を読んでいる途中で寝てしまったのか、本を膝に置き、椅子に座ったまま寝息をたてていた。
「帆香、起きろ。そのような所で寝ていたら風邪をひくぞ」
帆香の肩を軽く揺らす。
「ん・・・」
よっぽど疲れていたのか。
揺すっても起きない。
「帆香・・・」
ふぅっと息を吐いて優しく抱き上げる。
「まったく、愛らしい奴だ」
そう、微笑んで布団に連れて行った。