二人の王子さま
「あすま・・・さん・・・?」
心配そうな表情であたしを覗きこむ遊馬さん。
「うなされていたぞ。大丈夫か?」
あたしの手に水の入った湯呑みを渡してくれた。
「すみません・・・」
一口水を飲むと、イチゴみたいな懐かしい甘さが口に広がる。
「あまい・・・美味しい・・・」
「先程持って来たが、もう寝ていたから置いておいた。温まってしまったな」
「え!すみません!
あ、そういえばいつの間にか布団に・・・
まさか遊馬さんが!」
あわあわしているあたしの頭を軽く叩く。
「起こしたけど起きなかったからな。
まま?とか言っていたが何か嫌な夢でも見たのか?」
「あ、いつも見る夢なので気にしないでください」
小さな頃から見ている、いつもの夢。