二人の王子さま
「・・・悪い夢は人に話すと楽になると言う」
そう言ってあたしの頭を撫でる。
安心する・・・
「・・・ママ・・・あたしの母親なんですけど、よく見るんです。
ママが死んでしまった時の夢・・・」
・・・癌だった。
ギリギリまで我慢して、あたしが産まれる前に亡くなったパパの分まで働いていたママ。
あたしの前ではいつも元気に振る舞っていた。
相当痛かっただろう、とお医者さんに言われても笑っていたママ。
手遅れだった。
告知をされてもいつもと変わらず、そんなママを見ていたあたしは、絶対に治るんだろうと思っていた。
駄目みたい
そう言い残して・・・
ママは死んでしまった。