二人の王子さま
「そうか・・・」


それ以上何も言わなかった。



遊馬さんはあたしの頭をポンポンと叩いて、そのまま自分の方に頭を寄せた。


「ここにいる間はうなされないようにする」


「え?どうやって・・・?」

すると遊馬さんは布団に寝っ転がってあたしの手首を引っ張った。


あたしはあっと言う間に遊馬さんの腕にすっぽりとおさまってしまった。


「あ、遊馬さん?」


「こうしていれば嫌な夢は見ないだろう。
毎日こうして寝てやる」



遊馬さんは頭をポンポンと優しく叩いてふんわりと微笑んだ。







安心する。



そして少しだけ、ドキドキした。


< 69 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop