二人の王子さま
遊馬さんの馬にまた乗せられてしばらく走ると町が見えてきた。

時代劇で見るような町。
でも、所々に現代風なものがあって、なんだかおかしい。



「あ、遊馬様!」

一人の鎧みたいなものを着た男の人が馬から降りた遊馬さんに気が付いて駆け寄ってきた。


「ご苦労。町の様子を見にきた」

抱き上げられて馬から降ろしてもらう。

「町は今日も平和でございます」

そう言いながらその人はあたしをチラチラと見ている。


「あ、こいつは帆香。俺の恋人だ」

あたしの肩を抱きながら言う。


「あ、えと、はじめまして」

そうお辞儀をすると男の人も慌てて深々とお辞儀をした。

「ご挨拶が遅れて申し訳ございません!
私はこの町の見張りをしております」


「見張り?」

「あぁ、たまに隣国の奴が忍び込むのでな。見張りが居ないと危険なのだ」



危険・・・


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