二人の王子さま
◇2◇
2ー1
「ん・・・」
目を開けると、真っ白な見たことのない天井が目に入った。
ここ・・・どこ・・・?
あたし、春さんにあそこから落とされて・・・
起き上がろうと力を入れると、身体中に激痛が走った。
「いっ・・・!」
「目が覚めましたか?」
ドアを開けるような音と一緒に、男の人の声が聞こえた。
声がする方を見ると、黒いスーツ?を着た20代位の眼鏡をかけた少し長めの黒髪をした男の人が微笑んでいた。
「身体中痛いでしょう?まだ寝ていた方がいいですよ」
そう言うとその人はあたしにストローが入ったコップを渡す。
「喉が渇いたでしょう?お水を飲んでくださいね。
あなた、丸2日も眠ったままだったんですよ」
「2日も・・・
あなたが、あたしをここまで・・・?」
コップに水を少し入れてくれた。
「いえ、私ではないですが・・・
森の奥で、傷だらけで倒れていたそうですよ」