みるくとりんご[短編]
「すっかり孤独になっちゃったね」
私が孤立して数日経ったある日、千葉は楽しそうな笑みを浮かべてこんなことを言ってきた。
「おかげさまで」
なんて皮肉を込めて返してやると、彼は『ずいぶん強がるね』と、また笑う。
強がって何が悪い。
そうでもしなきゃ、潰れちゃうわ。
「アンタはアタシをどうしたいの?」
孤独のどん底に突き落として、自殺にでも追い込みたいのか。
はたまた、不登校にでもさせたいのか。
「言っただろ? 無性にアンタをイジメたくなったって。
要するに、ただの気まぐれだよ」
「へえー、迷惑な気まぐれだこと」
「ははは。やっぱ強がるね」
なんて笑う千葉の心は、やっぱり読めない。
大抵の人間の性格は、把握できる私だけれど、コイツの考えだけは、全くわからない。
それがまた、イライラする。
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イライラは破滅のもと