みるくとりんご[短編]
「……ごめん今の嘘」
イライラを全部吐き出してしまったら、一気に私の熱が冷めた。
同時に襲いかかる後悔の念。
「なんで謝るの?」
なんで? そんなもの、自分が悪いと思ったから謝るに決まってるじゃない。
「元後言えば全部俺のせいなんだよ? なのになんで謝るの?」
冷静に、冷めた態度で私にそう言う千葉に、『それはアンタが好きだから』なんて言葉を素直に言えるはずもなく、また
「さあね」
と言ってごまかした。
もう、千葉のことはおろか、自分自身のことすらよく判らなくなってきた。
嗚呼、恋って恐ろしい。