あたしだけの彼


パスタを注文し待っている間
話が尽きることもなく
喋り続けた。

「そらって彼氏いる?」

「いないですよ。居たら
こうやって男の人と2人で
会ったりしないですよ。
それより隆弘さんは?」

「俺もいねーよ。つか隆弘さんは
止めよーや。あと敬語も。」

「いや、でも...」

「たかとか隆弘でいいから。」

「じゃあたか...で」

「1回名前呼んで?」

「え、今ですか?」

そう聞くも名前を呼ぶのを
待っているようで返事を
してくれなかった。

「た...たか」

そう言うとたかは嬉しそうに
微笑んだ。その顔がとても
愛おしくなった。

この気持ちがなんだかあたしは
まだわからなかった。


しばらくするとパスタが運んで
こられ美味しく頂いた。

「じゃ、そろそろ出よっか?」

「うん。」

レジにいき「2700¥です」と
店員が言いあたしは財布を出したが
たかが全部払ってしまった。

「半分あたし出しますよ」

「いいって。今日は俺の奢り」

そんなの悪いよー。
けど、いくら言ってもダメそうだ。

「ごちそうさまです」



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