あたしだけの彼


あたしは逃げたりもした。
でも、地元で顔が広く
何かしら見つかってしまい
殴られ酷い時は軽い監禁
されることもあった。
そんなことが中学卒業
するまで続いた。

あたしは毎日辛くて
生きている心地が
しなかった。死にたい
って何度も思った。
離婚し、母親に親権を
譲った父親もあたしを
産んだ母親もあたしを
性欲マシーンとしか
思ってない康平も
上辺の付き合いしか
出来ない周りの奴等も
全員消えてしまえ。って

あたしがここに越して
来たのは怖くて逃げて
来たってのもあるけど
あたしがあたしじゃなく
なりいつかみんなを
殺してしまうんじゃ
ないかって。自分が
怖くなった。だから
ここで1から始めよう。
そう思った。愛理と心は
あいつらとは違うって
思っていても不安で
どこかで距離を置いてる
自分がいる。最低だ。

たかのこと好きになって
初めての感情が
いっぱいだった。
だけどまた前みたいに
なるんじゃないかって
怖くてあたしの過去を
知ればたかはあたしから
離れていくんじゃないかって。

過去を消すことなんて
できない。頭が覚えてる。
体が覚えてる。一生
頭から消えない。
忘れることなんて出来ない




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