あたしだけの彼
「どっか食いに行くぞ」
友達の優さんが言い出した。
「あいつ言い出したら
実行するまでしつこいんだ。
そらも行こ?」
「いや、あたし服ないから」
たかが洗濯してくれていて
当然まだ乾くわけがない。
夏だし上着を羽織るのも
無理なわけだし。
「あ!ちょっと待ってろ」
たかは部屋を飛び出し
しばらくするとあたしを呼ぶ。
呼ばれた方に行くと
誰かが立っていた。
うわっ。すっごく美人だ~
「初めまして。そらです」
「初めまして。姉の美樹です」
どうしてお姉さんの部屋?
「そらちゃん、好きな服
着てっていーよ!靴も好きに
履いてっていーからね」
「いや、悪いですし
いいですよ!あたしは
大丈夫ですから」
「そんなこと言わないで。
妹ができたみたいで
嬉しいじゃん。私服貸したり
するの夢だったのー」
そんなこと言われたら
断れずあり難く借りる
ことにした。
お姉さんが一緒に選んで
くれてまたゆっくりお話
しようねと言いまた家を
出て行った。
優しくて元気なお姉さんだな。