あたしだけの彼


その言葉と同時にたかが
殴りかかった。

あたしは信さんに
その場から離され目を
塞がれた。

「すぐ終わるから」

「信さん、離してください。
たかがやられちゃう。あんな
人数に勝てないよ!!
はやく止めて!信さん!」

殴る音や相手の唸り声
痛々しい音が聞こえる。

目を塞がれてるから
映像は見えない。だから
あたしの頭には自分が
映る。あたしが母親に
殴られてる自分が。

「お願い。止めて。痛い。
ごめんなさい。ごめんなさい。」

そんなあたしの異常に
気付いた信さん。

「そらちゃん?大丈夫か?
おい。隆弘!そらちゃんが」

たかたちは丁度喧嘩が終わり
周りがガヤガヤしてきたため
たかはあたしは抱きかかえ
走り出した。

「いやだ。殴らないで。
お願い。止めてよ。もう
殴らないで。」

あたしはまだ冷静になれない。

自分のしたことに理解できたのか
ごめんな。と言いながら
強く抱きしめてくれていた。

たかの家に着き優さんと信さんは
悪かったなと言い帰って行った。



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