あたしだけの彼


「うるさい。あんたに何がわかんの。
男なんてみんな気持ち悪い。
断ったら友達どうなるかわかんないとか
脅して無理矢理ヤろうとして
そんなことしか考えてない!!
女を性欲満たす道具としてしか
みてない。みんな最低!!!!」

あたしは泣きながら叫んだ。
今まで誰にも話せなかったことを
含めてそいつにぶつけた。

「わりぃ。」

俺は言葉が出なかった。
今日だけじゃなくて昔にもなにか
あったかのように話すこいつをみて。

「俺がもっと早くに見つけられたら
怖い思いさせずにすんだのに。
ほんとごめんな?」


「あ、えと取り乱してすいません。
あと助けてくれてありがとうございます」

「大丈夫か?」

「大丈夫って言ったら嘘になるけど...
2人にはこのこと言わないで下さい。
心配かけたくないので。」

言ったらきっと心配し気を遣わせる
だから言えない。
なにもなかったことにしよう。

「ひとつだけ頼んでもいいですか?」

「なに?」

「2人に体調悪くなったから早退する
って伝えてくれませんか?」

「あぁ、わかった。」

「ありがとうございます。」

お礼を言いあたしは背を向け
歩き出した。

「ちょっと待って」

引き止められあたしは振り向く。

「携帯。」

は?携帯?なにゆってんの?

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