野良猫族の奮闘記
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、あーーつっかれた!」
ぼくはベンチに腰掛けた。
これで、よかったんだよね? みなはさいとと一緒に会議に行ける。
2人で仲良く…。

は?! なんかぼーっとしちゃってた!
会議っていうのは、ぼくたち「野良猫族」の集会の事。
子供は、会議してる周りでご飯食べたりケーキ食べたり、遊んだり。
そういえば、さいとだけは、みんなの中に混じって遊んだりしなかったな。
ずっと隅っこで本を読んでた。
昔っから変な奴なんだから…。
さいとは、元から野良猫族にいた奴じゃなくて、さいとのお母さんと2人である日野良猫族にやってきた。
物静かな奴だと思ってたら、何時の間にかそばにいた。
何がきっかけかはわからないけど、何時の間にか、2人で行動するようになってたな。


そうそう、野良猫族ってのは魔術集団みたいなもの。
全員が猫になれるわけじゃないんだ…。 ま、大半の人はなれる。
普通は、猫になる+その人の能力 何だけど、ぼくは猫にしかなれないんだ。
みなは、透明になれる。 この能力は、猫にならなくても使える。
さいとは、氷や水を操る。
ぼくだけ落ちこぼれた感あるんだけどさ…、ま、しょうがないけど。


さーて、変身しますかー。
何処がいいかなっと、あたりをぐるりと見渡す。
あ! いい場所発見!
そこは、大きな背の低い大木。
葉っぱが青々と茂って周りの景色を遮っている。

ぼくはその大木に登った。
手軽なところにカバンを引っ掛け、更に少し上に登る。

よーし、猫になろうかな。

腰の位置で軽く拳を握り、体に力を溜める。
うー、とか、くー、とか唸って3分ぐらいその姿勢のままじっと待ってたら、
不意に身体が軽くなった。
身体を見ても、見えるのはフサフサの毛。
おっけーだね。
ガサガサと音を立てながら地面に降り立つと、すぐそばから聞いた事のあるような、驚いた声が聞こえた。
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