野良猫族の奮闘記
考え事をしていたからか、その矛盾には気付かなかったんだ。

ぼくは、とき君と別れて、塀の上を走っていた。
とき君は一体何者で、星空の会とは一体なんなんだろう…。
ドンッと何かにぶつかった。 ぶつかった何かはぼくに弾き飛ばされた。
きっと枝か何かだろう、そう思ったぼくは対して気にせず走り続けた。


集会が行われるのは、町のそばの山の中の小さな小屋。
木々に隠れているから、誰にも見つからない。


小さくて粗末な小屋に近付くと、騒がしい声が聞こえてきた。
ドアを開けると、皆一斉にこちらを見てため息をついた。
「な、なに? なにそのため息」
ぼくがうろたえて聞くと、これまた皆一斉に誤ってきた。
「みなが消えてしまったんじゃ。 ねねこは何か知らんか?」
長老である、ぼくのひいおじいちゃんがぼくの目の前にきて言った。
ぼくが首を横に振ると、ひいおじいちゃんもため息をついた。

みな…?
みなならさいとと一緒にきたんじゃ…?!
慌ててさいとをさがす。 が、この狭い小屋の中にその姿は見当たらなかった。

「ひいおじいちゃん! さいとは?! さいとは何処にいるの?!」
ひいおじいちゃんにきけば、ひいおじいちゃんはやれやれという風に首を降って言った。
「さいと君なら、みなを探して行ってしまったよ…。 事の起こりは自分にあるかもしれないと言ってな。」
やっぱり、2人の間に何かあったんだ…。
はやく、早くみなを見つけないと!
ぼくの中に、焦りが生まれて、それがどんどん膨らんで行った。
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