愛のうた。
駅前にハルカの姿。

逆光でよく見えないけど、隣には背の高い男の人がいる。

きっとシュンだよね。

見たくない、そう思い目をそらす。


「沙知、なんなの・・・アレ」

ユキが指差した方には、

ハルカと男の人。


あの制服は隣町の工業高校。

あの人はシュンじゃない。



どうゆうこと?友達?



ハルカが男の方へ顔を近づける。


そして、





2人の唇が重なった。




世界がモノクロに見えた。

まるでドラマのコマ割のように、止まった気がした。



何アレ。

ハルカはなんでシュンではない男の人とキスしてるの?


シュンと付き合って幸せなんじゃないの?


光景が目に焼きつく。

脳裏に焼きつく。


ただ、感じるのは怒り。

ハルカへの怒りしか感じられなかった。




「ちょ・・沙知!」

気がつけば私はハルカの元へと向かっていた。
< 107 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop