愛のうた。
-シュンside-


「どういう事だよ!」

「だから・・・別れて?好きな人が出来たの」


は?
ふざけんな!!

俺はお前のせいで沙知と別れたんだ。


「・・・ざけんなよ」

「俊太郎が怒るのも当たり前だよね。
あたし、あんなひどい事したから・・・」


・・・っ!!



「あたし、やっと気付いた。自分が間違ってるって。
いつも幸せそうな水川沙知から俊太郎を奪う事しか考えてなかった。
人の優しさが欲しかったの」


ハルカは俺に頭を下げる。



「でも心から愛したいと思う人がいた。
だからあたしはその人のために尽くしたいの」



俺は沙知を裏切った。

俺はハルカに裏切られた。


裏切られるってこんなに辛いんだな。

俺もハルカと同じ事したんだ。



「もう、二度とこんな事するんじゃねぇ。
そう誓え」

ハルカは頷いた。



「これ・・・返すね」

ハルカが俺に差しだしたのは沙知の写真。


「絶対、沙知に近づくな。それと・・・・
幸せになれよ」

「俊太郎、ありがとう。」



ハルカと別れたところで沙知と戻れるはずもない。

俺は沙知を裏切ったんだ。




許されるはずもない、裏切りを・・・。
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