愛のうた。
「なんか沙知ちゃんって、思った通りの子だな」

「え?」


茶色い瞳で見つめられると、何故だか思わず目をそらしてしまう。


「素直で、純粋。」


(ドキ・・・!)




「あ、ありがとうございます」



尚さんにトキめいてるなんて、私バカだ。

もう二度と男の人は信用しないって決めたのに・・・






「あ、俺と同じ機種じゃん」

尚さんが私のポケットから見えていたケータイを指差す。


私はつなぎのポケットからケータイを取り出す。



「本当ですね!」




テーブルに並べられた2つのケータイ。




私のは白のスライドケータイ。

尚さんのは黒のスライドケータイ。




「ちょっと唐突だけど、俺・・・
沙知ちゃんのメアド知りてぇな・・・ってゆうか。
いや、なんでもない!気にしないで」

照れながら髪をかく尚さん。




尚さんだったら大丈夫だよね・・・?



「いいですよ。交換しましょう?」


二人はケータイを重ねる。




それはいつかの時と同じ始まり。

あの時も、こうやって私の恋が始まった。




「よし、OK。後でメールするな」

「はい!」





また、私も新たな一歩を歩む。










そして・・・またあの日のように恋が生まれる。

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