愛のうた。
「沙知ちゃん、もう俺の事呼び捨てで良いし、
敬語もやめて?」

「え、そう言われても・・・せめて君付けで・・・」

「ダメ」



率直に断られ、戸惑う私。


「~・・・じゃあ私の事も呼び捨てにして下さい」

「・・・沙知・・・」


とくん。



なんだろう、この気持ち。

胸の高鳴りが鳴りやまない。


なんで尚さんに“沙知”って呼ばれただけで、
こんなにドキドキするの・・・??




私、もしかして・・・。



「じゃあ、・・・尚」

「うん!断然こっちだな。尚さんなんて堅苦しいし」


「そうですか?・・・言いにくいです(涙)」

「あ~また敬語~!」





笑いあう二人。



「もう、こんな時間だし、送るよ沙知」

「あ、ありがとう」



二人の手が重なり、握られる。

そして車に乗った。



「皆心配しちゃってるかな?」

「う~んダイチに言っておいたけど、アイツすぐ忘れるしなぁ~」




河川敷から私の家までの道のり。

他愛もない話が止まらない。



時間はあっという間に過ぎ、もう私の家の前。


もっと、話したかった。。。




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