愛のうた。
「沙知・・・そこのカフェ入ろう」

「うん・・・」


二人はカフェに入る。


「ご注文は?」

美人な店員さん。




「俺はコーヒーで。
沙知は?」

「・・・ミルクティー」





二人の間に沈黙が続く。




「沙知、さっきの元彼だろ?」

「・・・っ」



心配そうに私を見つめる。

この尚の瞳は出会ったときと同じだ。


尚を悲しませてしまう。


でも、でも・・・。


私は黙って頷いた。



「ごめん、やっぱ見ると思いだしちゃって・・・」

尚は優しく私の頭を撫でる。



その優しさに思わず涙が出そうになった。



「・・・尚、ごめんね?
私・・・尚が好きだから・・・」


「そんなの分かってるよ。
でもやっぱ不安になった」

「ごめんね・・・」



私はただ謝ることしかできなかった。



「大丈夫。
俺は沙知を信じるから。
沙知も俺を信じてくれよ?」

「尚・・・。ありがとう」



尚の笑みに救われた。

決めたの、この人と歩むって。

その決意はもう変わらない。




この後、カフェで他愛もない話をし、

ひと通り、買い物をしモールを後にした。

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