愛のうた。
佳奈絵さんからのラブレター。

思わず涙が零れ落ちる。


「・・・沙知っ、
ありがとう」

瞳に涙を浮かべ、
小さく微笑む尚。

お互いに抱きしめあう。



「佳奈絵さんの気持ち、
分かって・・・私も同じだった。

シュンに幸せになってほしいって」


尚が私の涙を指で拭う。



「佳奈絵の分まで俺は生きる。
・・・沙知を幸せにする」

「・・・尚・・・」



二人の唇が重なる。




「沙知、愛してる」

「私もだよ・・・」


シュン、私を好きになってくれてありがとう。

でも私は尚に恋をしました。



だから・・・
シュンも幸せになってね。



でも私は知る由もなかった。

シュンが私と別れた本当の意味を、
シュンの気持ちを・・・-----



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